都立高校入試倍率から紐解く未来

2023年度の東京都の都立高校の一般入試倍率にて、最も高い高校では4.59倍となっており、低い高校では軒並み0.4倍以下となっています。(余談ですが、都立高校という枠組みに於いては島嶼部の高校も該当しますので、あくまで23区及び市部の高校のみについて言及する旨、予めご了承ください。)現代は超少子高齢社会であること、並びに学問の在り方も多様化していることも踏まえ、平成初期~中期から変貌を遂げた部分が散見されたので、以下に記します。従来どおり偏差値65~70台の進学校が人気なのは変わらないところですが、学科やコースに於いて時代を反映するかの如き特徴が垣間見えます。

一昔前では学科の殆どが普通科、少数派で工業科や総合科などであり、学科の種類も限定されがちなものでした。加えて、都立の中高一貫校も数多く設立され、中学入試に於いての倍率も高く、公立学校という枠組みの中でさえも変革がなされています。然し、IT社会である現代では、高校の学科も情報や科学、ものづくりなどこれからの時代に適合する分野を専攻する学科は偏差値を問わず高倍率であることが見て取れます。現代の高校生の御子様をもつ親御様世代では、良い大学を出て良い会社に入って出世コースに乗りさえすれば一生安泰、といった風潮でしたが、時代の不安定さゆえに手に職を付け易い分野、或いは得意分野に特化させるルートを選ぶ傾向にあるように見受けられます。

このことから、過去の安定志向のままでは淘汰されかねない危険性も孕んではおれど、都立高校の様相からも来るべき時代の働き方やライフスタイルの変遷が現れつつあり、新たな可能性への道程でさえあるということは想像に難くないものです。

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